内定団体一覧

外部審査員3名による選考委員会の厳正なる審査の下、本事業の実行団体として10団体が内定しました。

以下に、各内定団体の名称、申請事業の名称及び概要、選定理由、内定助成額並びにその内訳を記載します(地域順)

なお、内定助成額の算定根拠は、実行団体よりご提出いただいた事業計画書・資金計画書に基づき算定しています。

助成先【1】

一般社団法人東北・広域森林マネジメント機構(岩手県)
申請事業名:自伐型林業地域実装による森の就労支援事業

申請事業の概要:自伐型林業の自治体連携・補助事業のある岩手県(沿岸・県北)・宮城県(気仙沼・南三陸)の2つの会場で、連携団体と協力し事業対象者に自伐型林業の習得に必要な事業を行う。連携団体の持つフィールドにて、集合研修・個別指導・経営相談を実施する。経営相談では事業対象者が自伐型林業の担い手として自立できるように活動フィールドの紹介等、一人ひとりきめ細かいサポートを行う。原油高で燃料費の高騰が見込まれるので、薪の生産・販売をテーマにした研修も開催する。自立した担い手を生み出すことで、コロナ禍・物価高騰により影響を受ける地方で働く場が出来るだけではなく、先の見えない未来の課題を解決できる人材を地域に増やす。

選定理由:市町村だけではなく、都道府県単位での政策変更も視野に入れての情報収集やアプローチをしている点から、他の団体にはない経験の積み上げがあることが感じられた。東北地方の課題も考慮された上で計画が練られている点も評価できる。

内定助成額:10,000,000円(内訳:直接事業費8,260,000円/管理的経費1,740,000円)

助成先【2】

栃木県自伐型林業推進協会 とちのもり(栃木県)
<コンソーシアム申請>一般社団法人 山守学舎
申請事業名:自伐型林業地域実装による森の就労支援事業
~生活困窮者が未来に希望を見出す仕事の創造~

申請事業の概要:超高齢化で拍車のかかった山林所有者の不明問題。更に国民の山林への関心が失われ、人材不足が加速し、適切な手入れのされない荒れた山が激増している。一方人材不足を補うようにスマート林業として、効率重視の大きな機械が導入され、幅員の広い道付により崩落する山も増えている。こういった現象を抑制するため、自伐型林業へ興味を持つ人の入り口として知識的、技術的支援はもちろんの事、環境配慮への視点も忘れずに支援し、より美しい山林環境を後世に繋いでゆく。また、県や市町村、山林所有者への認知度を上げ、新規自伐型林業参入者の初動環境・受け入れ態勢を整えると共に、自伐型林業の存在意義を広く知らせるとともに関心を持つ人を増やし、山林への関係人口を増やす。

選定理由:団体のこれまでの実績や、コンソーシアムを組み、研修生目線を重要視した事業内容であることなどが評価できる。他方、出口戦略に不安が残り、併せて対象地域が栃木と埼玉に分かれていることから、実施計画を工夫し相乗効果が生まれる活動になることを期待する。

内定助成額:10,000,000円(内訳:直接事業費8,041,000円/管理的経費1,959,000円)

助成先【3】

ほくりく自伐型林業協議会(福井県)
申請事業名:自伐型林業自立支援プログラム in JAPAN
森から学ぶ自立に向けた知識・技術習得プログラム

申請事業の概要:エネルギー高騰、物価高騰、更に新型コロナで苦しむ失業者・生活困窮者等に対して、中山間地域にて森林資源を活用しながら自立する技術、知識を育むプログラムを実施する。経済環境が不安定な中で、自ら中山間地域の森林等の資源を最大限活用した生業を創造し、自活していくことを目指す。具体的には、里地里山への移住を含めた支援、山林を活かした自伐型林業のノウハウや技術、製材やバイオマス技術研修、そして安全管理、経営管理の研修をOJTも含めて実施する。森づくりの継承と新たな仕事をプロデュースを通じ、単なる過疎地の担い手でなく、地域に貢献する人材としての活躍を期待する事業を展開していく。

選定理由:北陸という地域単位で自伐型林業を広げる意義、金沢市との連携や企業連携も具体的であったこと、代表者のこれまでの実績も十分であることが評価に繋がった。

内定助成額:10,000,000円(内訳:直接事業費8,600,000円/管理的経費1,400,000円)

助成先【4】

一般社団法人ディバースライン(長野県)
申請事業名:自伐型林業就労支援プログラム実施による就労定着支援事業
~森とくらし森ではたらくライフスタイルの創造~

申請事業の概要:本事業では、自伐型林業就労支援プログラムとして、技術指導や資格取得、就業希望者の地域・行政コミュニティ参画補助等の支援と参入障壁低下のための重機貸出支援を行い、就業定着を目指す。また、当団体の支援基盤を強化し、持続的な就労支援で林業振興をすることにより、新たな地域産業創出や移住者創出等、地域活性化に貢献する。団体設立以来、担い手不足解消のため単発的に講習やフォーラムを実施してきたが就労に踏み出せない方も多く、就労定着には講習に加え継続的に就労しやすい環境づくりをする必要があることが明確となった。当団体も地域や行政との関り合いから山林や販路を確保し、重機購入がきっかけで就労定着に至った。

選定理由:二拠点居住者を対象にしていること、研修費を半額補助にしている理由などが明確で、堅実な事業計画である点が評価できる。また、アスリートのセカンドキャリアという社会課題において、新たな価値創造の可能性があり、成果が広く普及できれば、波及効果は大きいと考えられる。

内定助成額:9,990,000円(内訳:直接事業費8,035,000円/管理的経費1,990,000円)

助成先【5】

天竜小さな林業春野研究組合(静岡県)
申請事業名:小規模持続型林業による希望ある未来への礎づくり
担い手育成、木材の流域流通モデル構築・地域間支援連携

申請事業の概要:天竜地域は日本三大林業地の一つで、古くから林業を基幹産業として地域の雇用や暮らしを育んできた。しかし、近年では少子高齢化や人口流出に伴い、集落を維持できない状況も増えてきている。さらに、新型コロナウィルス感染拡大や原油価格・物価高騰により、地域の雇用や働く場は減少の一途を辿っている。このような状況を克服し、希望ある未来の礎を構築する為、各地域を担う人材の育成、木材の流域流通モデル構築、地域間支援連携事業を実施し、人材育成と働く場づくりに貢献、同時に事業実施後も小規模持続型林業を通して地域の持続可能で継続的な働く場づくり、及び地域づくりの支援の基盤整備とモデル事業の構築を図る。

選定理由:林業を基幹産業としている地域で、木材の流通システムを新たに構築されていることが評価できる。一方で、流通や加工に重点を置きすぎている印象を受けたため、本助成事業の生活困窮者支援の趣旨を踏まえた活動となることに期待する。

内定助成額:10,000,000円(内訳:直接事業費10,000,000円/管理的経費0円)

助成先【6】

株式会社 ワイルドウインド(京都府)
申請事業名:吉野発、次世代の「山守」育成事業

申請事業の概要:奈良県吉野地方を中心としながら隣接する紀伊半島の中山間地域において、自伐型林業に興味を持ち取り組む意欲のある失業者・転職希望者を対象とし、集合講習方式による基礎技術の習得、OJT講習方式によるスキルアップや地域の自然資源を活用した複業型ライフスタイルの提案、山主や自治体とのマッチングによる就労や居住地の確保、そのほか経営指導や進路相談などの自立・自走に向けた支援を行う。

また、事業終了後も持続的に収入を得て生きがいを感じられる働く場・遊ぶ場づくりおよび森林・地域づくりを可能とする資源活用システムや地域間ネットワークの構築などの基盤整備を目的とする。

選定理由:関西の山の特質を踏まえ、紀伊半島の山林をフィールドにするという明確な目標が設定されている点が評価でき、吉野地域で複業型山守の育成が進めば、波及効果は大きいと考えられる。研修の出口として自治体の地域おこし協力隊の採用も期待できる。

内定助成額:10,000,000円(内訳:直接事業費9,114,800円/管理的経費930,000円)

助成先【7】

智頭町複業協同組合(鳥取県)
申請事業名:智頭の森を守る自伐林業家を持続可能にする地域内事業開発事業

申請事業の概要:智頭には従来より活動する智頭ノ森ノ学ビ舎(育成・現場・機材・コミュニティ)と、智頭町複業協同組合(採用力・人材派遣のしくみ・情報共有)が連携したことにより、40名以上の応募者から2022年上期採用4名(女性林業家含む)と実績が出ている。全国的にユニークな活動であり、さらに林業人材を集めていける段階にある。他の地域との交流も盛んなため智頭に止まらず展開することも可能と考える。

現在、より多くの人材を抱えるにあたっての課題として、雨天や冬季の仕事の確保と、移住者の住居等の確保があるため、本事業では、当該課題解決の事業開発チームを林業家と共に発足し、持続可能な林業の創出を実現を目指すものである。

選定理由:地域課題をしっかり把握した上で、資金の投入どころや、出口戦略を明確にできている。森林組合との協働や、派遣という働き方で地域として仕事を創出し、定住条件を高める仕組みを構築する先駆的な取り組みであること、複業組合の活用方法がユニークであることも評価に繋がった。

内定助成額:9,995,000円(内訳:直接事業費9,760,000円/管理的経費240,000円)

助成先【8】

株式会社FOREST WORKER(広島県)
申請事業名:林業就業を目指した技術習得プログラムの創造事業
地域に根ざした生業としての育林研修プログラム

申請事業の概要:①林業従事者として個人又は就労するのに支障のない造林保育の知識・技術の習得
②自身の目標とレベルにあった研修段階の設定と実施
③都市部や若年層へも意識を向けた広報と集客

・コロナ禍で職を失った方の再就職に林業という選択肢を持たせ、その為に必要な機械を使えるよう最低限必要な特別教育を実施し資格取得をする。

・資格取得後、実作業で頻度の高い機器の取り扱いやメンテナンスの講習を実施し、作業の基礎講習として山の歩き方や図面の見方、林内での刈機やチェンソーワークを指導する。

・行政を含めた関係機関から求人情報を収集して提供できるように準備する。

・学生への啓蒙のために、まず林業を知る体験、触れる体験を作る。

選定理由:造林保育の知識・技術の習得を経て、生活困窮者の方が自立する仕事を創生していく点が評価でき、学生対象の体験活動によって林業の裾野を広げるという視点がおもしろく、期待ができる。

内定助成額:10,000,000円(内訳:直接事業費8,724,000円/管理的経費1,276,000円)

助成先【9】

高知地域林業ネットワーク(高知県)
申請事業名:高知で始める地域の林業なりわい創生事業
根っこでつながる小さい林業ネットワーク

申請事業の概要:高知県ですでに地域おこし協力隊などに属し自伐型林業を始めた人や、県内外で新型コロナウイルスや物価高騰による打撃を受けた人が、新たに高知県で自伐型林業を学べる仕組みづくりとして、技術研修及び自立するための経営指導を行う。地域おこし協力隊任期満了者や、先の研修修了者を対象に、木材の製材・乾燥・加工を自ら行う六次産業化の強化を図り、薪販売や佐川町が力を入れるデジタル木工への町産材の供給体制を構築し、森林整備と合わせた総合的な森林活用の場を作ることで、新たな雇用を生み出す。技術研修だけに留まらず、生業として自立するためのバックアップ体制を充実させ、自治体とも連携し、より公益性の高い事業効果を得ていく。

選定理由自伐型林業の先進地域である高知県において、作業道補助金のなくなった先の段階の課題解決を事業内容にしている点が先進的であると評価できる。出口戦略がまだ固まっていない印象を受けたため、資金分配団体等のネットワークも活かし、用材販売だけでない新たなモデル作りに繋がることに期待する。

内定助成額:9,994,000円(内訳:直接事業費8,000,000円/管理的経費1,994,000円)

助成先【10】

九州林業塾(福岡県)
申請事業名:九州林業塾

申請事業の概要:

事業目的

①自伐型林業を九州の新たな地域へ展開する

②就業支援:山守として就業する機会の創出

③山守を必要としている長伐期多間伐施業を基本とする大規模山林所有事業体との連携

④九州林業塾の会員としてそのネットワークで継続した指導・情報の共有

事業内容

①研修事業:チェーンソー・小型バックホー・林内作業車・刈払機の特別教育,作業道路開設,伐採,造材,搬出等の研修,林業知識教育等40日間研修を実施し自立できる自伐型林業者を養成する。

②就業情報提供事業 行政、大規模森林所有者と協力し施業林や就業情報の提供を行う。

③モデル林整備事業 研修を通じて自伐型林業のモデル林を整備し地域を守る森林の整備を啓発する。

選定理由これまでの実績から、実行可能性について評価できる。九州地域で自伐型林業を進めるにあたり、自治体へのアプローチも問題ないと感じたが、出口戦略としての就業者支援は手薄であると思われるため、引き続き十分に計画を練った上で実行することに期待する。

内定助成額:10,000,000円(内訳:直接事業費8,310,000円/管理的経費1,690,000円)